酒はしづかに飲むべかりけり

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新燃岳

 短歌

 ☆ 小林が 初任地なれば けぶり立つ
      新燃岳の われを恋はしむ

 ☆ 初任地の学校で われが一番若かりき
      新燃岳にも 登りたりけり

 ☆ 襟垢の 少し付きたる 大島紬
      汚き襟こそ なまめかしけれ

 ☆ 恋ひ詫びて「一緒に死んで」に あらざりき
SNSの 不可思議な舞台

 ☆ 姪からの 亡き夫忌明けの 挨拶状
       並ぶ夫妻の 短歌のいとほし

 ☆ 人の世の 在り方いたく 思ひ知る
       第四十八回衆院選の 人心の妙

 ☆ カラオケに 美声の友から いざなはる 
       「愛の讃歌」に酔ひて候ふ

 ☆ メール便 配慮に欠けて 後悔す
       軽きタッチで 何処にか飛ぶ

 ☆ 芸術は 印象批評が 好みなれど
       解説ありて 秀歌と知りぬ


 ☆ パソコンにて 古典文学学ぶこと 
       清少納言は をかしとや言ひなむ





  


     
        
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# by murasakisikibu-s | 2017-11-04 13:02 | Comments(0)

思惟の旅人

短歌

 ☆ 歌詠みの 思惟の旅人(たびと)に 成らまほし
         たかで短歌と ゆめ思ふまじ

 ☆ 和紙を裂き紙縒(こより)で文(ふみ)を綴りたり
      ホッチキス無き 昔は美(うつく)し 

 ☆ 東京府 世田谷町下北沢に 生れけり
       金融恐慌闌(たけなは)のころ

 ☆ 文語体 戦前までの 書き言葉
       父の封書の 墨の跡静けし

 ☆ 平成の 終はり近づく わが国は
     混沌として 震(ふ)らぬ日の無し

 ☆ 雨あがり 薄紅に咲く サルスベリ
        台風18号の 接近を聞く

 ☆ エデイット・ピアフの 愛の讃歌と 平安の
        恋の情念 等しからずや

☆ 院展の 妖しき作品 「涅槃寂静」 
      老いに眩しき 啓示のごとし

 ☆ われにのみ 薫るや浅黄の 金木犀
      こぼれし花の 踏むをためらふ

 ☆ 美しき 山中城址の 障子堀
       多勢に無勢 半日で落城せり


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# by murasakisikibu-s | 2017-09-17 16:01 | Comments(0)

艶めきて


 
 ☆ 人恋ふに あらねど老いて 歌詠めば
        言の葉あやに 艶めきて候(そろ)

 ☆ 何ごとも 優劣きそふ 人の世に
        寝てか覚めてか 八十五歳

 ☆ 題は「八」 焼けのやんぱち 自棄っぱち
        未だ詠まれぬ 八月八日

 ☆ 生徒らに 殿下とあだ名 されゐし弟
        八十三歳まだ テニスに遊ぶ

 ☆ 第三次 安倍内閣が 成立す
       支持率三十五% 横這い続く

 ☆ 年齢の 順に死ぬとは 限らざる
       壮年の甥の死 悲しかりけり

 ☆ 壮年の 甥は逝きたり 泣かまほし
       新盆の灯に 妹いとほし

 ☆ 明治維新も 関ヶ原の 戦いも 
        ストーリーの大半 眉唾物とか

 ☆ 八月の 武相華道展 賑はしや
      生花の掟は 流派それぞれ 

 ☆ 五十歳の 教へ子達の 同窓会
       誰の企画か 感謝状を受く

    
 
     
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# by murasakisikibu-s | 2017-08-07 10:11 | Comments(0)

王朝ロマン

短歌

☆ 重厚で 時にをかしき『源氏物語』
    一生(ひとよ)のをはり 古典に遊ばむ

☆ 長編の 王朝ロマンの 『源氏物語』
    須磨で挫折を 「須磨源氏」とふ

☆ 西暦の 千年の頃誕生の 『源氏物語』
     今ならをとこ君の 品定めすべし

☆ 雅び男や 東下りの かきつばた
      乾飯(かれいひ)ほとぶる程に涙流せり 

☆ 夫と観る 大河ドラマの 「直虎」に
     わが好みなる 親分あらはる

☆ ボルドーの 紅きワインは ひんやりと
     朧月夜の われを酔はしむ

☆ アメリカの 防波堤の如き 日本列島
     北朝鮮の 核にたぢろぐ

☆ 近隣の おみな集へば 睦まじく
     幼なに返りて 折鶴にあそぶ

☆ 弱りたる 夫の傍辺に われも老ゆ
     つくづく侘し 夕餉は鰻重にせむ

☆ 都議選を 明日に控へて 迷ひなし
      をみな賢しく をとこに勝る

☆ 夫逝けど いまだ死なずに いる妻を
     「未亡人」とふ その逆は無し 

     
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# by murasakisikibu-s | 2017-07-01 20:36 | Comments(0)

忖度

 短歌

☆ いにしへの 詠み人知らずの 名歌にも
        霞ヶ関にも 忖度のある

☆ 薔薇の木の 葉のくれなゐの うれしかり
        花芽を探す やさしさにをり

☆ それなりに 能力失せゆく 八十五歳
        人工知能は 人間を越ゆ

☆ あゆ釣りの 解禁を聞く 五月尽
       昭和の半ばの 父は友釣り

☆ 落ちてゆく 奈落の底に 落ちてゆく
       夢なら覚めよ 万緑眩し

☆ 庭の草 雑事にかまけ 取らざれば
     名も知らぬ草 すべてが愛し

☆ 電話機が 壊れて新型 求めたり
      説明書よみ ひとり設定す

☆ 小田急線 人身事故にて 停車せり
      今日も自死とや 短歌で何せむ

☆ 日本では 空気を読みて 忖度の
       機転を美徳と 教へられにき

☆ 何ゆゑに 心みだるる 花の季(とき)
       言はずもがなを 言ひてせつなし 
     
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# by murasakisikibu-s | 2017-06-05 20:58 | Comments(0)