酒はしづかに飲むべかりけり

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思惟の旅人

短歌

 ☆ 歌詠みつつ 思惟の旅人に 成らまほし
         たかで短歌と ゆめ思ふまじ

 ☆ 和紙を裂き 紙縒りひねりて 綴りたる
         ホッチキス無き 父の日誌は 

 ☆ 東京府 世田谷町下北沢に 生れけり
       父の命名は享子 京子とせざりき

 ☆ 歌詠みて 流離の旅を 往くならむ
       言葉の花とふ 雅称うつくし

 ☆ 文語体 戦前までの 書き言葉
       父の手紙の 墨付きの美し

 ☆ 平成の 終はり近づく 日本は
     混沌として 震らぬ日は無し

 ☆ 君を待ち 君に待たれし 夕暮れの
       昔恋しき 玉川学園の駅

 ☆ 咲きながら 散りながら咲く サルスベリ
        台風18号 接近の報あり

 ☆ エデイット・ピアフの 愛の讃歌も 平安の
        源氏の恋も 等しかりけり

☆ 院展に 妖しき作品 われは黙(しじま)せり 
      老いの夢なる 涅槃寂静 

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# by murasakisikibu-s | 2017-09-17 16:01 | Comments(0)

艶めきて


 
 ☆ 人恋ふに あらねど老いて 歌詠めば
        言の葉あやに 艶めきて候(そろ)

 ☆ 何ごとも 優劣きそふ 人の世に
        寝てか覚めてか 八十五歳

 ☆ 題は「八」 焼けのやんぱち 自棄っぱち
        未だ詠まれず 題詠難し

 ☆ 生徒らに 殿下とあだ名 されゐし弟
        八十三歳まだ テニスに遊ぶ

 ☆ 第三次 安倍内閣が 成立す
       支持率三十五% 横這い続く

 ☆ 年齢の 順に死ぬとは 限らざる
       壮年の甥の死 悲しかりけり

 ☆ 壮年の 甥は逝きたり 泣かまほし
       新盆の灯に 妹いとほし

 ☆ 明治維新も 関ヶ原の 戦いも 
        ストーリーの大半 眉唾物とか

 ☆ 八月の 武相華道展 賑はしや
      生花の掟は 流派それぞれ 

 ☆ 五十歳の 教へ子達の 同窓会
       誰の企画か 感謝状を受く

    
 
     
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# by murasakisikibu-s | 2017-08-07 10:11 | Comments(0)

王朝ロマン

短歌

☆ 重厚で 時にをかしき『源氏物語』
    一生(ひとよ)のをはり 古典に遊ばむ

☆ 長編の 王朝ロマンの 『源氏物語』
    須磨で挫折を 「須磨源氏」とふ

☆ 西暦の 千年の頃誕生の 『源氏物語』
     今ならをとこ君の 品定めすべし

☆ 雅び男や 東下りの かきつばた
      乾飯(かれいひ)ほとぶる程に涙流せり 

☆ 夫と観る 大河ドラマの 「直虎」に
     わが好みなる 親分あらはる

☆ ボルドーの 紅きワインは ひんやりと
     朧月夜の われを酔はしむ

☆ アメリカの 防波堤の如き 日本列島
     北朝鮮の 核にたぢろぐ

☆ 近隣の おみな集へば 睦まじく
     幼なに返りて 折鶴にあそぶ

☆ 弱りたる 夫の傍辺に われも老ゆ
     つくづく侘し 夕餉は鰻重にせむ

☆ 都議選を 明日に控へて 迷ひなし
      をみな賢しく をとこに勝る

☆ 夫逝けど いまだ死なずに いる妻を
     「未亡人」とふ その逆は無し 

     
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# by murasakisikibu-s | 2017-07-01 20:36 | Comments(0)

忖度

 短歌

☆ いにしへの 詠み人知らずの 名歌にも
        霞ヶ関にも 忖度のある

☆ 薔薇の木の 葉のくれなゐの うれしかり
        花芽を探す やさしさにをり

☆ それなりに 能力失せゆく 八十五歳
        人工知能は 人間を越ゆ

☆ あゆ釣りの 解禁を聞く 五月尽
       昭和の半ばの 父は友釣り

☆ 落ちてゆく 奈落の底に 落ちてゆく
       夢なら覚めよ 万緑眩し

☆ 庭の草 雑事にかまけ 取らざれば
     名も知らぬ草 すべてが愛し

☆ 電話機が 壊れて新型 求めたり
      説明書よみ ひとり設定す

☆ 小田急線 人身事故にて 停車せり
      今日も自死とや 短歌で何せむ

☆ 日本では 空気を読みて 忖度の
       機転を美徳と 教へられにき

☆ 何ゆゑに 心みだるる 花の季(とき)
       言はずもがなを 言ひてせつなし 
     
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# by murasakisikibu-s | 2017-06-05 20:58 | Comments(0)

 雅かな

 短歌

☆ 雅びたる 着物すがたの 馬場あき子
     「かりん」の宴に 歌物語せり

☆ あなにやし 恩田川辺の 八重桜
       今年も娘の 車窓に眺む

☆ 乗り継ぎて 楽しみ向かふ 歌の会
       たまさか迷ふ 老いにけらしな

☆ えびね蘭 庭のをちこち 咲き初めぬ
      日向(ひうが)の友に 賜はりし花

☆ くれなゐの 椿の花の 面変はり
      日ごと朽ち果つ あな悲しもよ

☆ 達意なる 文語の歌の 雅かな
    乱るる日本語 こころ憂きかり

☆ 女(をんな)らに 革命なせし 炊飯器
     創りし会社の 凋落あはれ

☆ 詠むとふは 考ふること 思ふこと
      喪服に親しき 齢となれり

☆ まほらまの 銀座は時代の 先をゆく
    変らぬやうに 常に変はるや

☆ 洗練の 銀座らしさを 残さむと
     掟きびしき 地元の魂

☆ 藤の花 紫の色 さびしけれ
      喪服を好む 老いの狂気よ
        

       
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# by murasakisikibu-s | 2017-04-29 15:22 | Comments(0)